お墓の引っ越し(改葬)の手続きの仕方と金額はどれくらいかかる?
年々お墓の移転(改葬)に関する問い合わせが増えているようです。
一昔は墓地と言えば寺墓地か宗派自由の公営墓地や民営墓地しかなく
寺墓地以外はわりと郊外や交通の便が良くない所が多かったものです。
前はちょくちょくお墓参りに行っていたが、遠いのでついつい億劫になって
足が遠のいてしまっていると言う方が多いようです。
最近は自宅から近い、駅から近くの便利な場所に墓地が出来て気になりますよね!
お墓の引っ越し(改葬)を考えたいが、手続きや改葬の際どの位費用がかかるものなのでしょうか?
お墓の改葬手続き
お墓の改葬をお考えの場合は次の流れにそって行けばスムースに行きます。
- 現墓所の返還工事代見積もり
- 移転先墓所の見学
- 移転先墓所の契約
- 返還工事代金の支払い
- 改葬許可書の取得
- 現墓所のお骨出し
- 新墓所へ納骨
それでは順を追って説明していきましょう。
現墓所の返還工事見積もり
現墓所を建てていただいた石材店又はその墓所指定の
石材店に墓所返還に関する見積もりを出してもらいましょう。
お墓といっても立地条件や場所が違いますので、
実際の現場に行かないと石材店は見積もりは出せません。
移転先墓所の見学
返還工事代金を踏まえた上で大体の予算を出しておきましょう。
そして自分が何を一番重要視するのかを整理することが大事です。
立地なのか、環境なのか、値段なのか、交通の便なのかどれを重要視するかを考えましょう。
一般的に考えて立地条件が良い(駅近、交通の便が良い)墓所は
値段はそれなりにします。
首都圏で言えば、郊外に行けばいくほどリーズナブルになります。
都内を1とすると郊外では値段が1/3、広さが3倍位になることもあります。
三拍子そろった霊園というのはほぼないと思いますので、
これだけは譲れないということを決めておいてください。
移転先墓所の契約
返還工事代金を考慮の上、新墓所を契約します。
この時お子さんがいる方はなるべく一緒に連れて行って方がよいでしょう。
後を見てくれるのはお子さんやお孫さんになりますからね。
返還工事代金の支払い
霊園によって違いはありますが、大抵のところはそこの墓所を
使わなくなった場合は返還工事をして
その区画を管理者にお返しする事になっています。
お墓の場合勘違いされている方が多いのですが、墓地は買ったわけではないのです。
墓所を借りてお墓を建てているものなのです。
墓所を契約したときに永代使用料を支払ったはずです。
これは「永代に渡ってその場所を使用してもいいですよ」
と言う権利を得ただけであって買ったわけではないのです。
ここは不動産とは違いますのでご注意ください。
したがって使用しなくなった場合は永代使用料の返金などはありませんし、
その場所をお返しする必要があるのです。
改葬許可書の取得
現墓所の所在地の市町村役場にて改葬許可書をもらってくる
現在ではほとんどの役場でインターネットで改葬許可書を取得できますので、
遠方にお墓が有る場合でも簡単に取得できるようになりました。
そして必要事項を記入します。
注意 あなたが住んでいる市町村役場ではありません。現墓所の所在地の役場です。
市町村役場によって改葬許可書のフォーマットが違います。
現墓所の管理者に署名捺印してもらう
民営や公営であれば管理事務所、寺墓地の場合はそこの住職様に、
現在収蔵されている方が間違いなく
今現在ここに埋葬されていますと言う事実を証明していただく為に
署名捺印していただき、それを現墓所の市町村役場に提出します。
改葬許可証
不備がなければ改葬許可書が改葬許可証となります。
この改葬許可証が新墓地にお骨を移す際に必要となります。
墓所返還工事金額
墓所返還工事の費用はあなたの墓所の立地条件によって
大きく変わってきます。
平地でお墓のすぐ側までトラックが行ける場所と、
崖や丘の上などトラックが麓までしか行けないところでは、
返還工事に関する作業時間や作業効率などの点で大きく変わってきます。
一般的には返還工事は石材だけでなく、外柵のコンクリート、
納骨室のコンクリートガラなど全てを取り外し、更地にして戻すことになります。
石材やコンクリートガラは専門の引き取り業者に有料で引き取ってもらうので、
作業員の人件費+残材処分費などで首都圏などでは㎡あたり
10万円から15万円位でしょうか。
したがって一般的な3㎡ですと30万円から45万円位となります。
改葬の場合は新墓地の総額に返還費用50万円位を余分に考えなくてはいけません。